もし手元に自由に使える3万円の図書カードNEXTがあったら、あなたならどんな本を買いますか?
このコーナーでは、そんな夢のような話を作家さんに体験していただき、どんな本を選んだかを大公開!
図書カードNEXTで本を選ぶ楽しみをあなたも疑似体験してください。
第62回:佐藤究さん
- 書物のテーマパークで遊ぶ
- <プロフィール>
佐藤 究(さとうきわむ)
1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』で第47回群像新人文学賞優秀作となり、同作でデビュー。16年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。18年、『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を受賞。21年、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。
今月は佐藤究さんが図書カード3万円お買い物に挑戦! ところざわサクラタウンのKADOKAWA直営ストアで資本主義がテーマの1冊から暗黒舞踏の書等たっぷりお買い物だ!
(2021年9月17日 於ダ・ヴィンチストア)
今回訪れたKADOKAWA直営の体験型書店ダ・ヴィンチストアでは、私が選書した本のフェアもささやかながら展開されている(年末までやっているそうです)。
フェア用の選書10冊を決めたところ、同店プロデュース課のNさんからポップの材料となる台紙が送られてきて、何となく〈ポップ作り〉依頼の話は聞いていたが、まさか本当にやるとは思わなかった。やむなく私は手書きと切り貼りを混ぜて、犯行声明文じみた〈ポップ作り〉に取りかかったものの、しかし10冊分は楽ではない。日々こうした手作業をされる書店員さんには頭が下がるばかりだ。制作は朝までかかり、翌日の動画撮影とラジオ出演にほとんど寝ずに臨むはめになった。
苦心したポップたちの様子を見てみようじゃないか─そんな思いもあって、東所沢の書店へと買い物に向かった次第である。
佐藤究さんが図書カードNEXTで購入した本
著書 | 著者/出版社 | 価格(税込) |
---|---|---|
『資本主義問題 千夜千冊エディション』 | 松岡正剛/角川ソフィア文庫 | ¥1,694 |
『舞踏という何か』 | 溝端俊夫、松岡大、呉宮百合香、本田舞、石山星亜良編/かんた | ¥1,650 |
『完本 麿赤兒自伝 憂き世戯れて候ふ』 | 麿赤兒/中公文庫 | ¥990 |
『宇宙からきたかんづめ』 | 佐藤さとる、岡本順絵/ゴブリン書房 | ¥1,430 |
『私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 | アニル・アナンサスワーミー、藤井留美訳/紀伊國屋書店 | ¥2,420 |
『妖怪少年の日々 アラマタ自伝』 | 荒俣宏/KADOKAWA | ¥2,970 |
『ロスト・ラッド・ロンドン』全3巻 | シマ・シンヤ/KADOKAWA | ¥2,244 |
『白光』 | 朝井まかて/文藝春秋 | ¥1,980 |
『史上最大のからあげ革命 日本の食文化を大きく変えた大分県の小さな専門店の挑戦』 | 井口泰宏/ワニブックス | ¥1,430 |
『遊牧民と村々のラグ キリム&パイルラグの本格ガイド』 | 前田慎司/グラフィック社 | ¥3,300 |
『冥途』 | 内田百閒、金井田英津子画/平凡社 | ¥2,860 |
それでは各書籍について、購入の背景をじっくりと伺いましょう。