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第55回:伊吹有喜さん

素敵な本との新たな出会い
<プロフィール> 伊吹有喜(いぶき・ゆき)
三重県出身、中央大学法学部法律学科卒。出版社勤務を経てフリーランスのライターに。2008年『風待ちのひと』(改題 夏の終わりのトラヴィアータ)でポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木三十五賞候補。2017年『彼方の友へ』が第158回直木三十五賞候補、第39回吉川英治新人文学賞候補、名古屋の書店を中心にした全国有志の書店員による『乙女の友大賞』受賞。その他の著作に『なでし子物語』シリーズ、『BAR追分』シリーズ、『カンパニー』、『今はちょっと、ついてないだけ』、『雲を紡ぐ』などがある。

購入書籍No.   1234567891011121314

【1】『チャイの旅 チャイと、チャイ目線で見る紅茶・日本茶・中国茶』(ギャンビット)
【2】『紅茶バイブル 知る・味わう・楽しむ』(ナツメ社)

『チャイの旅 チャイと、チャイ目線で見る紅茶・日本茶・中国茶』『紅茶バイブル 知る・味わう・楽しむ』

 最近、クローブやカルダモンといったスパイスを調合してつくるチャイづくりにはまっています。その日の気分にあわせてスパイスを選び、小さな鉢で潰したり擦ったりしていると、それだけで気分が上向くのです。
 そこでチャイを含め、もっと紅茶のことを知りたいと思い、まずはこの2冊。極上の一杯をつくりたいものです。

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【3】『銀座カフェー興亡史』(平凡社)
【4】『不思議なウィーン 街を読み解く100のこと』(平凡社)

『銀座カフェー興亡史』『不思議なウィーン 街を読み解く100のこと』

「銀座」、「カフェー」そして「興亡史」。
 どれも好きな単語です。そんな三つの言葉がタイトルのこの本。素通りできましょうか。いえ、できませぬ。ということで迷わず手に取りました。
 同じ理由で「不思議」、「ウィーン」、「読み解く」。
 やはり3つの単語に惹かれました。欧州の都市で一番好きなのはウィーンです。歴史ある町並み、美しい音楽、数多くの素敵なカフェ、帝国の姫君たちが愛したお菓子。好きなものばかりです。
 銀座とウィーン。本のページをめくり、自宅にいながらにして、楽しい散歩に出かけましょう。

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【5】『イラストで見る世界の食材文化誌百科』(原書房)

『イラストで見る世界の食材文化誌百科』

 昔、留学生と話をしていたときに、トマトにハチミツをかけて食べると聞いて驚きました。その方の国ではトマトは野菜ではなく果物の扱いの様子。さっそくよく熟れたトマトで試してみたら美味でした。おなじみの食材も、ところ変わればいろいろな食べ方、味わいがあるものです。
 この本はのんびりしたいとき、きれいなイラストを眺めながら楽しみたいです。どこから読んでも楽しめるのが百科事典系の書物の魅力ですね。

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【6】『図説 世界史を変えた50の食物』(原書房)

『図説 世界史を変えた50の食物』

 目次を見ると「コカコーラ」や「ジャガイモ」といった、世界を変えた理由が想像できるものから、「ルンダン」、「ビルトン」といった、味も形も理由もまったく想像つかぬ食べものまでいろいろ。
 さらにはアップルパイという項目も。あの善良そうなパイに一体何があったのでしょうか。気になります......。
 淡いベージュの上質な紙に印刷された横書きの文字と、大きめな判型。カラーの図説や写真も美しく、「西洋の書物」といった感じがする一冊です。

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【7】『イギリスの城郭・宮殿・邸宅歴史図鑑』(原書房)
【8】『図説 英国アンティークの世界 華麗なる英国貴族の遺産』(河出書房新社)

『イギリスの城郭・宮殿・邸宅歴史図鑑』『図説 英国アンティークの世界 華麗なる英国貴族の遺産』

 美しい建物の構造や装飾を見るのが好きです。旅先で素敵な建物を見ると、あの窓の内側にはどんな世界が広がっているのかと思います。特に年代の古い建物は、どのような間取りで、どのようなしつらえを調えているのか。時代や国によって違う様式にも興味をそそられます。
 そこでこの2冊。まず、イギリスの建物についてカラー写真とともに歴史を追い、そのあと美しい家具や装飾品の世界にひたってみようと思います。

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【9】『図説 ヨーロッパ宮廷の愛人たち』(河出書房新社)
【10】『図説 英国レディの世界』(河出書房新社)

『図説 ヨーロッパ宮廷の愛人たち』『図説 英国レディの世界』

 宮殿や邸宅、調度品を楽しんだら、次はそこに住んでいた女性たちの話を読みたくなりました。大人のおとぎ話を読むような感覚です。

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【11】『世界の楽しいインテリア』(エクスナレッジ)

『世界の楽しいインテリア』

 さて、視点を変えて現代のインテリアの本を。目次を見ると、69人の素敵な部屋のインテリアの紹介のほかに、自分でできる家具のリメイクや、花のあしらいなどの解説もあって面白そうです。
 気候や住宅環境が違うので、海外のアイディアをそのまま取り入れるのは難しいかもしれません。それでも世界中のさまざまな街で心地良さそうに暮らしている人たちの写真を見るのは楽しいです。

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【12】『花とお菓子 季節を愛でる、とっておきのティータイムアイディア28』(立東舎)

『花とお菓子 季節を愛でる、とっておきのティータイムアイディア28』

 世界の食と住まいを眺めたら、今度は我が家のなかへ。花とお菓子。なんて心躍る組み合わせでしょうか。四季折々の花とお菓子の色の組み合わせに心惹かれました。写真を眺めているだけで幸せな心地になれそうです。

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【13】『私でもスパイスカレー作れました!』(サンクチュアリ出版)

『私でもスパイスカレー作れました!』

 チャイづくりの延長で、カレーもつくってみたいと、この1冊。
 ぱらぱらっと見ただけで、猛烈にカレーをつくりたくなります。本書にある三つのスパイスをそろえれば、簡単、時短にカレーができそうなのです。
 おいしい食材をスパイスでさらに風味豊かにして健康的に食べる、その延長線上にカレーがあるという感じが好きです。スパイスカレーを食べているうちに著者がダイエットできてしまったという理由も大納得。この原稿を書いている今、ちょうど読了したのですが、すぐにカレー用のスパイスを買い込みました。これからつくるのが楽しみです。

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【14】『めんどうなことしないうまさ極みレシピ 激烈美味しいストレスなし103品』(KADOKAWA)

『めんどうなことしないうまさ極みレシピ 激烈美味しいストレスなし103品』

 「めんどうなことしない」、「うまさ」、「極み」。
 この3つの言葉だけでもボディを打ち抜かれるのに、そこに「激烈」、「美味しい」。さらに重ねて「ストレスなし」。とどめのアッパーに「103品」。
 パンチのラッシュに思わず足が止まりました。私は数字がかかったタイトルに弱いようです。美味103品。100の上にまだ3つ。このカウントもじわじわと効いてきます。
 数の魅力もさながら、手軽においしいものを味わえれば気力も体力も充実します。いろいろありますが、まずは無理せず栄養を取って身を養うのは大事なことです。

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 さて、ふだんは購入のリストから外れがちな、欲にまかせた本の数々。図書カードを片手に本のPOPに心奪われ、売場で思案する時間の楽しかったこと!明日からまた頑張れます。
 素敵な体験をさせていただき、ありがとうございました。

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