第51回:小野寺史宜さん
- 八重洲ワンダーランド
- <プロフィール>
小野寺史宜(おのでら・ふみのり)
1968年、千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞。2008年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し、単行本デビュー。他の著書に『ひりつく夜の音』『リカバリー』『ひと』『それ自体が奇跡』『本日も教官なり』『太郎とさくら』『夜の側に立つ』『ライフ』「みつばの郵便屋さん」シリーズなど多数の著作がある。
購入書籍No. 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10
【1】『セロニアス・モンク 独創のジャズ物語』(シンコーミュージック・エンタテイメント)
セロニアス・モンクのソロピアノが好きだ。今はほぼそれしか聴かない。モンクはかわいい。モンク自身も創りだす音楽もかわいい。ミュージシャン関連の本はあまり読まないが、これは読みたいと思った。
【2】『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)
ハックは翻訳がいくつも出ている。これは前から気になっていた。モンクのそれ同様、本としての存在感がすごい。物理的に重い本を一気に読むと肩が痛くなるのだが、こらえてでも読むつもり。
【3】『アリバイ・アイク ラードナー傑作選』(新潮文庫)
ラードナーも好きだ。海外作家のラのところになかったので、店員さんに訊いてしまった。村上柴田翻訳堂シリーズによる復刊ということで、村上春樹さんのところにあった。セーフ。
【4】『悪魔の涎・追い求める男 他8篇 コルタサル短篇集』(岩波文庫)
物を持ちたくない僕だが、これは何度も買ってしまう。定期的に読みたくなるのだ。現在新品で買えるものがないデイモン・ラニアン同様、自分の小説の登場人物にまで読ませている。
【5】『城』(白水uブックス)
これも定期的に読みたくなる。ただ、長編である分、コルタサルにくらべると、読みたくなる周期も長い。久々に、さわさわと揺すられるあの感じを味わおう。
【6】『ダブリナーズ』(新潮文庫)
『ユリシーズ』を読んだことはない。今後読むかもわからない。いつもこちらへ流れてしまう。単純にダブリンが好きという理由もある。規模が小さい都市や町が好きなのだ。だからパリよりはダブリンに惹かれる。
【7】『ワインズバーグ、オハイオ』(新潮文庫)
これも町の物語だ。架空の町。高校生のときに初めて読んだ。ベースとして町があり、そこに人がいる。こういう小説はいいな、と思った。新訳。読みたかった一冊。
【8】『雪沼とその周辺』(新潮文庫)
同じく架空の町。やはり定期的に読ませてもらっている。もう少し暖かければ、雪沼に住みたい。
【9】<新訳シャーロック・ホームズ全集>全9巻(光文社文庫)
さあ、いよいよ、の大人買い。ホームズの新訳。そもそもが19世紀から20世紀の話なので、新訳といっても加減が難しいだろう。さすがにホームズに、「うわ、ウゼー。ワトスンさ、それ、やっぱダメっしょ」と言わせるわけにもいかない。そんな意味でも興味があった。期待。
【10】<フロストシリーズ>全9巻(創元推理文庫)
このフロストシリーズは、第2作の『フロスト日和』が出たころから読んでいる。出るのは数年に一度。ちょうどよかった。出るたびに、お、フロスト出るのか、と思わされた。でもついに完結。チャンドラーのマーロウシリーズとどちらにするか、迷いに迷ってこちらにした。考えてみれば、これもデントンという架空の町の物語でもある。
以上。
貧乏性なため、会計の際に1万2万とどんどん上がっていくレジの金額表示を見て、悪いことをしているような気分になった。3万て!しかもすべて本て!
文庫本が多いとはいえ、全26冊。持ち帰るのはキツいので、配送にしてもらった。
そして。鉄を熱いうちに打つべく。
八重洲ブックセンターを訪ねた翌日にこの原稿を書いている。26冊はまだ届いていない。明日着の予定だ。
来たら何から読もう。と言うその前に。自分の小説を書きなさいよ。
それにしても。
カッコをつけるはずが。ホームズにフロストって、しかし。