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第35回:宮田珠己さん

めざせ3,000円以上
<プロフィール> 兵庫県生まれ。旅とレジャーのエッセイを中心に執筆活動を続ける。著書に『ときどき意味もなくずんずん歩く』『だいたい四国八十八ヶ所』『日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編 』『いい感じの石ころを拾いに』など。

購入書籍No.   12345678910111213

【1】『旅と芸術 発見★驚異★夢想』(平凡社)

『旅と芸術 発見★驚異★夢想』

 書店に着いてまず向かったのは、芸術関連のコーナーである。高くて普段なかなか買えない本がもっとも集まっている場所だ。さっそく『旅と芸術 発見★驚異★夢想』という面白そうなビジュアル本を発見した。3,000円しなかったけれど、旅をどう表現するかというのはいつも気になっているテーマであり、こないだまで埼玉県立近代美術館でやっていた同タイトルの展覧会の図録にもなっていたので即決。この展覧会、行こう行こうと思いつつ行きそびれていたのだ。

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【2】『マッド・マックス 怒りのデス・ロード COMICS & INSPIRED ARTISTS』(Graffica Novels)

『マッド・マックス 怒りのデス・ロード COMICS & INSPIRED ARTISTS』

 それから『マッド・マックス 怒りのデス・ロード COMICS & INSPIRED ARTISTS』は、はじめから狙っていた。映画の前日譚が描かれたコミックということで読みたかった。自分ではこういう本は買えない。もったいないかなあと思ってしまうから。でもそんな本こそ今日は買う。

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【3】『寺社の装飾彫刻 関東編〈下〉千葉・栃木・茨城・神奈川』(日貿出版社)

『寺社の装飾彫刻 関東編〈下〉千葉・栃木・茨城・神奈川』

 写真集『寺社の装飾彫刻 関東編下 千葉・栃木・茨城・神奈川』は、ずっと欲しいと思っていた若林純の「寺社の装飾彫刻」シリーズ全7巻のうちの1冊。すでに関東編上、中国・四国・九州・沖縄編など3冊持っているが、それなりの値段なのでなかなか揃えられないでいる。この機会に残り4冊全部買ってしまいたい。でも予算がなくなるので1冊で我慢。残りも徐々に自力で揃えるつもりだが、最近また『寺社の装飾彫刻 日蓮宗寺院』という別くくりのが出たらしい。追いつくのか、これ。

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【4】『世界地図帳』(昭文社)

『世界地図帳』

 いったんビジュアル本は置いて、地図のコーナーへ向かう。いい世界地図が欲しいと思っていたのだ。今持っている地図はもう30年ぐらい前に買ったもので情報が古い。いつか新しい地図を、と思いながら値段が張るのでずっと買えないでいた。値段が張るだけでなく、これという地図がないのも買えなかった理由のひとつだ。世界地図で納得のいくものにいまだお目にかかったことがない。どれも大雑把すぎるのである。全世界を網羅するわけだから細かいところまで取り上げられないのはわからないではないが、たとえばインド1国を見開き2ページではまったく物足りない。今回も完全に納得のいく地図はなく、悩んだ結果、昭文社の『世界地図帳』を買う。ソマリランドもプントランドも載ってなかったけど、ひとまずはこれで。
 さて、このへんから人文の棚へ移る。

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【5】『縄文人の世界観』(国書刊行会)

『縄文人の世界観』

 実は欲しい人文書をリストアップしてある。ビジュアル本じゃないけど、一応押さえておこうと思ったのだ。
 筆頭は『縄文人の世界観』。このところ縄文土器が気になって、縄文関連の本をよく読んでいる。しょっちゅう定説が覆され、目が離せないのだ。とくにあのゴチャゴチャした装飾には個別に意味があったのではないか、あれはマヤ文字のように解読できるのではないか、という点に興味がある。『縄文人の世界観』にはどうもそのへんのことが書いてありそうだった。
 歴史は、若い男子は幕末や戦国時代を面白く思い、それが年を取るとだんだん中世に興味が移って、最終的には古代にいくという話を聞いたことがあって、もう古代にきたかとわれながら暗澹たる気持ちになるが、昨今は古墳女子とか土偶女子もいるらしいので、私も火焔式土器男子と呼んでもらって差し支えない。

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 そのほか関西大学東西学術研究所研究叢刊の『異界が口を開けるとき 来訪神のコスモロジー』という本が欲しかったのだが、置いてなかった。関西大学東西学術研究所の本は面白そうなものが多いのに、たいていどの書店にもない。今回もまあないだろうなと予想していたので、これはあきらめる。

【6】『異界歴程』(河出書房新社)

『異界歴程』

 あとふと目に付いた『異界歴程』をかごに入れた。『白の民俗学へ』で有名な前田速夫の本。何の気なしにめくってみたら、青ヶ島について1章割かれていたので即決。青ヶ島はずっと気になっている島だ。今、自分の中で島ブームが来ているのである。なぜ島ブームかというと、最近折りたたみ自転車を譲ってもらったからだ。せっかくだから、それでどっか行きたい。島がいいんじゃないか。ということで島ブーム。

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【7】『私の日本地図〈4〉瀬戸内海Ⅰ 広島湾付近』(未来社)

『私の日本地図〈4〉瀬戸内海Ⅰ 広島湾付近』

 と思ったらそのすぐそばに宮本常一の「私の日本地図」シリーズが置いてあり、宮本常一といえば私が今度行こうと思っている瀬戸内の島に詳しいから、瀬戸内海周辺の巻をパラパラと見てみた。このシリーズは揃えたいと思っていながら、きりがないから見ないようにしていたのに、つい見てしまった。折りたたみ自転車をもらったことが、ぐいぐいと私を浸食してきている。気がつくと『私の日本地図4 瀬戸内海Ⅰ 広島湾付近』をかごに入れていた。

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 んんん、3,000円以上のビジュアル本中心にと思っていたのに、なんだか普段の買い物に近くなってきた。でも欲しいんだからしょうがない。
 あ、そうだった。娘のクイズの本を買わなければ。
 ということで突如棚を移りクイズの本を物色。あらかじめ調べておいた本を見つけたがそんなに面白そうじゃなかったので、先日亡くなった多湖輝の「頭の体操」シリーズにしようと思ったら置いてなかった。クイズにはキレのいいクイズと悪いクイズがあって、「頭の体操」はキレがよかった。買うならキレのいいものがいい。最近いいなと思うクイズ本は「面積迷路」シリーズである。ネーミングは実態とちょっとズレている気がするけれども、クイズとしては「数独」以上に面白い。図形問題が好きな人に最適。「面積迷路」はもう持っているので、角度のクイズ本がないものかと探してみたがそういうのはなかった。面積のクイズが面白いのなら、角度も面白いはずだ。誰か角度クイズの本を出してほしい。ということで、娘に頼まれたクイズ本、選びきれずいったん退却。

【8】『ニッポンのじてんしゃ旅 〈vol.01〉 しまなみ海道をゆく。瀬戸内7海道サイクリングガイド』(八重洲出版)

『ニッポンのじてんしゃ旅 〈vol.01〉 しまなみ海道をゆく。瀬戸内7海道サイクリングガイド』

 そうしてふと気がつくと私は雑誌のコーナーに立っていた。しかも『ニッポンのじてんしゃ旅VOL.01 しまなみ海道をゆく。瀬戸内7海道サイクリングガイド』を開いていた。瀬戸内7海道って何だろう? しまなみ海道ととびしま海道とあとはどこ? と知りたくなって、まんまとかごに。気がつくと、3,000円以上のビジュアル本作戦はすっかり崩壊している。
 ビジュアル本が去って、やってきたのは島だ。

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【9】『奇妙な孤島の物語』(河出書房新社)
【10】『驚愕の日本がそこにある 絶海の孤島』(イカロス出版)

『奇妙な孤島の物語』『驚愕の日本がそこにある 絶海の孤島』

 『奇妙な孤島の物語 私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』は、読んでみたかった本だからまだいいとして、『驚愕の日本がそこにある 絶海の孤島』って何だよ。面白そうじゃないか。しかも冒頭が青ヶ島だ。表紙もかっこよくて困るんだよこういうの。どこだよ鵜来島って。知らんぞそんな島。この本買うよ、買わいでか。

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【11】『世界一うつくしい植物園』(エクスナレッジ)

『世界一うつくしい植物園』

 いかんいかん、当初のイメージとだいぶズレている。ここはリストに戻って『大分岐 中国、ヨーロッパ、そして近代世界経済の形成』を買いに向かったが、手に取ってみると経済の本で、なぜ自分がこれをリストに入れたのかよくわからなかった。これはやめて、『エディアカラ紀・カンブリア紀の生物』を探しに行くと、ああ、そこは生物の棚。海の生き物とか石とか食虫植物とか、気になる本がわんさとあるコーナーだ。もうあんまり予算がない。予算がないし、似たような図鑑や写真集をもういっぱい持っていて、今回は自粛したかった。このジャンルはキリがないのだ。ここにはきっと『世界植物記 アフリカ・南アメリカ編』があるだろう。あれも欲しいのだ。欲しいけど7,000円以上するから、予算3万円でそこまではと涙を呑んで割愛したのだ。近づくとやばい。
 ということで華麗にスルーしたんだけども、気がつくと『世界一うつくしい植物園』がかごに入っていた。誰が入れたんだよ。

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【12】『星を創る者たち』(河出書房新社)
【13】『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』(ハヤカワ文庫SF)

『星を創る者たち』『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』

 あとは好きなSFの棚で、文庫になったら買うつもりだった『星を創る者たち』を我慢しきれずに買い、実はこの企画のために『ハヤカワ文庫SF総解説2000』のなかから1冊買おうと選んでおいた『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』で値段を整えて終了。
 満足といえば大満足なんだけど、いろいろ想定外。ああ、クイズ本どうしよう。

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