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第24回:窪美澄さん

食うか食われるかの真剣勝負!
<プロフィール> 窪美澄(くぼ・みすみ)
1965年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、アルバイトを経て広告制作会社に勤務。その後フリーの編集ライターを経て、2009年「ミクマリ」で第8回女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞、デビュー。受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』で2011年山本周五郎賞を受賞。また同書は本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれた。2012年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞。その他の著書に『アニバーサリー』『雨のなまえ』『よるのふくらみ』などがある。

購入書籍No.   12345678910111213

【1】『だからもう はい、すきですという』(ナナロク社)

『だからもう はい、すきですという』

 どうにもこうにも、その言葉がガンガン響くので、この人は自分にとって確信に近いことを言っているな、と感じることがあります。服部みれいさんの言葉もそうです。服部さんの言葉で心がふっ、と楽になる若い人たちはたくさんいるんだろうな、と思います。そこに40歳以降の大人の女の生き方の指針を見る思い。詩集に限らず、服部さんの言葉はこれからも追いかけていくつもりです。

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【2】『君想ふ百夜の幸福』(芸術新聞社)

『君想ふ百夜の幸福』

 ずっと見ていたくなる、目が気持ちのよい絵。描かれているのは美女だけれど、皮膚一枚の下のどろどろや汚いものまでも、享受しているような描き手の深み、すごみがあふれている絵です。女性や男性の絵や写真は、描いている人、撮影している人が、何に萌えているかを考えるきっかけになります。その視点に自分の視点が重なったり、新しい萌えの扉が開いたときが、また、気持ちがよいのです。

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【3】『かないくん』(東京糸井重里事務所)

『かないくん』

 わんわん泣いてしまった。松本大洋さんの描く子どもの絵だけで涙腺はゆるむのに。そのうえ、谷川俊太郎さんの書いたお話だ。読んでいていろんなことを思い出しました。小学校のときに死んだ友だちのこと。高校のときに死んだ友だちのこと。ずっと、忘れていたのに。だから、これはとてもよい本です。

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【4】『Advanced Style』(大和書房)

『Advanced Style』

 60~100歳代の女性のファッションスナップ集。年齢を重ねて、その先、何を着て、どうやって生きるかを常々知りたいと思っています。自分の道の先を行く人たちが楽しそうだと、私も楽しくなるし、元気が出る。この写真を見ていて、終戦の年に10歳だった方のことを思い出しました。私が黒い服を着ていると、彼女はとても怒るのです。渋谷駅が不便、と不満を言うと、「あら、私はもう最短距離の乗り換えルートを見つけたわ」と。彼女のような、この写真集に出てくるようなそんなおばあちゃんに私はなりたい。

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【5】『intimacy』(ナナロク社)

『intimacy』

 私の最新刊は『よるのふくらみ』と言うのですが(宣伝です)、その表紙に使わせていただいたのが、森さんの写真です。愛する恋人を撮っているのに、どうしても一人と一人だ、とギリギリ思わせてくれる瞬間があって、それが森さんの写真のすごいところだと思います。二人を包む、空気に含まれる水分のつぶつぶまで見えてくるような、透け感がとても好きです。

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【6】『コドモノクニ名作選 Vol.3 夏』(ハースト婦人画報社 )

『コドモノクニ名作選 Vol.3 夏』

 これもこういう企画がなければ買わなかったかもしれません。『コドモノクニ』とは、大正11年から昭和19年まで刊行された子どものための絵雑誌。北原白秋や竹久夢二、サトウハチロー、東山魁夷など、一流の作家が子どもために腕をふるっていたという夢のような......。子ども向けだからといって一切、手を抜かないし、どのページをみても美しい。そして、子どものために真剣に作られたものは、どうしてこんなに切ないのでしょうか......。

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【7】『ルイス・ブニュエル』(作品社)

『ルイス・ブニュエル』

 発売当初からずっと欲しいと思っていたけれど、高くて躊躇していた本。新宿のATG(アートシアターギルド)などで、モノクロの映画をずっと見続けていた時期があって、そういうときには必ずかかるのがブニュエルの『アンダルシアの犬』でした。何度も見ていますが、眼球剃刀のシーンは、やはり目をつぶってしまいますね。『銀河』を見ながら映画館でグーグー寝たこともあるのですが、あれは人生でいちばん幸福な昼寝だったかもしれません。

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【8】『セラピスト』(新潮社)

『セラピスト』

 人が人の心に寄り添うってどういうことなんだろう、病んでしまった心が治るってどういうことなんだろう?という数々の疑問にヒントを与えてくれるかもしれない、という希望をこめて。最相さんが書かれたのであれば、読まねばなりません。

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【9】『ひとりの体で 上』(新潮社)
【10】『ひとりの体で 下』(新潮社)
【11】『写字室の旅』(新潮社)

『ひとりの体で 上』『ひとりの体で 下』『写字室の旅』

 ここまで来て、小説を1冊も買ってない! ということに気づき、文芸書コーナーへ。しかし、日本の作家さんのコーナーはなんか照れるし、嫉妬するので(ちょう売れてる! 装幀がキレイ! などなどの理由で。私の心が狭いからです)、海外文学のコーナーへ。
 海外文学をたくさん読んでいるわけではありませんが、この二人の作家の新作が出たら、必ず買いますし、読みます。

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【12】『素湯のような話』(ちくま文庫)

『素湯のような話』

 編者の早川茉莉さんをTwitterでフォローしていて、この本を知りました。Twitterで自分が手にとらなかったかもしれない本を知ることも多いです。だから、自分が読んでおもしろいと思った本のことも積極的につぶやくようにしています。

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【13】『みちこさん英語をやりなおす』(ミシマ社)

『みちこさん英語をやりなおす』

 副題にam・is・areでつまずいたあなたへ、とあって、すかさず手にとりました。益田ミリさんのやさしげなイラストとともに、私も英語をやりなおしたいと思います。

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