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第74回:高瀬隼子さん

下見をしました
<プロフィール> 高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)
1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学部文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。2020年に同作でデビュー。2022年『おいしいごはんが食べられますように』で第167回芥川賞、2024年『いい子のあくび』で第74回芸術選奨新人賞を受賞。

購入書籍No.   1 |2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |11 | 12 | 13

【1】『山川 詳説日本史図録』(山川出版社)
【2】『ニューステージ世界史詳覧』(浜島書店)

『山川 詳説日本史図録』『ニューステージ世界史詳覧』

 5日前に1人で下見に来たときに、高校生用の参考書コーナーで目についた『プレミアムカラー国語便覧』(数研出版)を買って帰ったのだけれど、これがとてもよかった。自分が学生時代に使っていた便覧と違ってタイトルどおりカラー印刷で、美しく見やすく充実していた。ならばということで初めに向かったのが参考書コーナー。高校生用の日本史と世界史の資料集を手に入れた。国語便覧と同様にオールカラー。パラパラ開くだけで建物や風景の写真が目に入ってきて楽しい。学生時代、暗記が苦手だったので社会科の成績は悪かったけれど、授業は面白くて好きだった。
 お値段なんといずれも990円。同行してくれた集英社の単行本担当編集者である古川さんが、「紙代とか、どういう計算をしてこの値段に......?」と首を傾げていた。確かになぞの安さである。

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【3】『わんこ四字熟語辞典』(飛鳥新社)

『わんこ四字熟語辞典』

 次はどこのフロアに行こうかなーと歩いていると、本棚の脇の特設コーナーに積まれた本と目が合った。かわいい。こっちを......見ている! 犬だ! ぱらぱらとめくる。犬の写真で四字熟語を説明している本らしい。「不平不満」かわいい。「天衣無縫」かわいい。「勇気凛々」かわいい。即、購入を決めた。

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【4】『世界の飼い犬と野生犬』(エクスナレッジ)

『世界の飼い犬と野生犬』

 また犬である。さっき犬の本を手に入れたばかりなのに。だけど許してほしい。こちらは、下見に来たときから絶対欲しいと目をつけていた。写真集はなかなか自分で買うことがない。いいなー素敵だなーと惹かれても、財布と相談した結果、いつも小説の本を優先してしまう。家族として人間と暮らしてくれる犬ももちろん愛しく大好きだが、野生の犬も美しい。執筆の合間にうっとり眺めようと思う。

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【5】『言語学バーリ・トゥード Round1AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)

『言語学バーリ・トゥード Round1AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』

 人文書のフロアで「小説以外の本を読むスピードが遅く、新刊にも疎い」という悩みを打ち明けると、『本の雑誌』編集者の松村さんが、「これは読みやすかったし、内容も具体的でおもしろかったですよ」とお薦めしてくださった(ありがとうございます)。そうなんですねー、と受け取りつつ、タイトルに入っている「バーリ・トゥード」が専門用語なのか人名なのかすら分からず、内心ドキドキしていた。

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【6】『東京の生活史』(筑摩書房)

『東京の生活史』

 以前から気になっていたが、なにせ分厚いし、高いし、と二の足を踏んでいたところに今日である。ほんとうに買ってもいいんですか、いいんですね、とテンション高く買い物かごへ入れた。ずっしり重たいのがうれしい。ご褒美感がある。

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【7】『レーエンデ国物語』(講談社)

『レーエンデ国物語』

 後回しにしていた文芸書フロアに来た。はじめから小説の棚に向かったら、3万円全部小説に使ってしまう予感がしていたからだ(「それでもいいんですよ」と仰っていただいていたのですが)。こちらは人気の話題作でどこの書店に行っても平積みされているので、ずっと気になっていた1冊。今日も目が合ったので購入。ファンタジーは久しぶりに読むかもしれない。

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【8】『ここはすべての夜明けまえ』(早川書房)

『ここはすべての夜明けまえ』

 こちらも目立つ場所にたくさん並べられていて、書店員さんから推されているのが分かり、手に取った。表紙にひらがなだらけの本文が一部印字されている。SFは普段あまり読まないし、知らない本だけど、なんとなく好きな予感がしたので購入。

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【9】『敬愛の心』(晶文社)

『敬愛の心』

 海外文学のフロアに行くと、以前読んだ『あまりにも真昼の恋愛』が印象深かった、キム・グミさんの新刊が出ていたので手を伸ばした。すんみさんの翻訳。実際に起きた火災事件を題材にした、初めての長編らしい。下見に来たときは見落としていたので、気付いてよかった。韓国文学はちらほらと読んでいて、好みの作品が多いので今回もとても期待。

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【10】『マーリ・アルメイダの七つの月〈上〉』(河出書房新社)
【11】『マーリ・アルメイダの七つの月〈下〉』(河出書房新社)

『マーリ・アルメイダの七つの月〈上〉』『マーリ・アルメイダの七つの月〈下〉』

 ラジオ「アフター6ジャンクション2」で、小川哲さんがお薦めされていた本を見つけた。読んだことない小説家の、海外文学の単行本で、しかも上下巻......。ここに3万円分の図書カードがなければ、まず買い物かごに入ることはない条件である。寓話のような装画が美しい、紫色と黄色の本。スリランカの小説を読むのは多分初めて。

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【12】『コレラの時代の愛』(新潮社)

『コレラの時代の愛』

 大学時代にマルケスの『百年の孤独』を買った。有名な作品だし、分厚くてかっこいい。そう思って手に入れたのに、数ページ読んでは閉じ、また初めから読んでは止め、を繰り返して10年以上が経ったが、一昨年、急に「今だ」と思って一気に読了した。めちゃくちゃおもしろかった。どうして早く読まなかったんだろうと思ったけれど、読めないときは読めない。そういうわけで、次は『コレラの時代の愛』に、うちの本棚に来てもらうことにした。いつ読めるかはまだ分からない。しばらく開かない気もする。

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【13】『「くぐり抜け」の哲学』(講談社)

『「くぐり抜け」の哲学』

 1階の話題書や新刊、オススメ選書が並ぶコーナーへ。『群像』で連載されていた『「くぐり抜け」の哲学』が本になっていたので、手に取った。連載はところどころしか読めていないのだけれど(連載全般を読むのが下手で、ごめんなさい)、最近、自分の中で他者と対話することや、関わり合うこと、関わり合えないと感じることなどについて考えることが多く、ヒントをもらえそうな気がして購入。表紙のクラゲのイラストがかなりかわいい。
 店内の端に寄り、買い物かごの中身を計算した。下見の成果か、なんとか予定の2時間以内に買い物を終えられたので胸をなでおろす。けれど、事前に「あれは買おう」と考えていた本を忘れて棚を飛ばしてしまったり、5日前に(実は4時間半かけて)見尽くしたはずの棚から、新しく発見して手を伸ばした本もあったりした。書店の不思議で、歩いたら歩いただけ本が欲しくなる。こんな不思議にはいつでもはまりたい。

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