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図書カードNEXT トップ > 図書カード使い放題?! > 最新:中村航さん

図書カード使い放題?!

もし手元に自由に使える3万円の図書カードがあったら、あなたならどんな本を買いますか?
このコーナーでは、そんな夢のような話を作家さんに体験していただき、どんな本を選んだかを大公開!
図書カードで本を選ぶ楽しみをあなたも疑似体験してください。

最新:中村航さん

楽しい大人買い
<プロフィール> 中村航(なかむら・こう)
1969年岐阜県生まれ。2002年『リレキショ』で文藝賞を受賞しデビュー。
『ぐるぐるまわるすべり台』で野間文芸新人賞を受賞。
『100回泣くこと』は累計85万部突破のベストセラーに。
近作『トリガール!』が映画化。
著作に『デビクロくんの恋と魔法』『僕の好きな人がよく眠れますように』『あのとき始まったことのすべて』『年下のセンセイ』『無敵の二人』『BanG Dream! バンドリ』などがある。

 今月の図書カード3万円お買い物コーナーは中村航氏が登場! コミック大人買いからサイン本、サンダルにポストカードまで、縦横無尽に選んだ39冊はこれだ!
(平成30年8月2日 於明正堂アトレ上野店)

 メールの返事は、3秒、は無理でも、3分でするように心がけている。
 返事をするのに半日置いたり一日置いたりすると、相手に合わせて時候の挨拶をしたり、全体の文章量を相手に合わせたり、といったことをしなければならない(と思っている)。だが即返すメールならば、了解です。頑張ります、取り急ぎ! といった2行の返事でも許される(と思っている)。
 先日、編集者からメールで、この企画の依頼が届いた。3万円の図書カードで買い物をし、レポートを書く。掲載媒体は「本の雑誌」で、買い物をしたい書店を指定してください、とも書いてある。
「本の雑誌」! その名を僕が知ったのは、90年代、自分がバンドを辞めて、小説を書こうと決めた頃のことだ。あの頃、書店に並ぶ小説本を片っ端から読み、勝手に打ちのめされていた。どの人もこの人もすごい! こんなものを自分が書ける気は全くしない。偉大な先人たちは皆、君は小説なんて書かなくてもいいんだよ、と言っている気がした。
 そんななか出会った「哀愁の町に霧が降るのだ」(椎名誠)は、僕にとってパンクロックだった。次はお前だ! と、パンクロックが放つようなメッセージを、その本は僕に投げかけてくる。
 ざっくり言えば、東京にやってきた椎名誠とその仲間たちが、一つの部屋でだらだらと時間を過ごし、ときどき無駄に熱くなりながら、やがて一人ずつ部屋を去っていく、という内容だ。過去の話が書かれているのに、現在の話がときどき紛れこむ。力強く、愉快で、熱く、とてつもなく面白い。
 やがて他の本も読むなかで、「哀愁の~」に出てくる椎名誠、目黒考二、沢野ひとし、木村晋介が作った「本の雑誌」というものが実在することを知った。そんなことが可能なのか、と思った。かつて克美荘で無為でバカバカしい青春を送っていた彼らが、再び集まり、雑誌を作っている。
 こうしてはいられない、早く自分も書かなければならない。
 そんなふうに勝手に熱くなっていた時代、僕は埼玉県の宇都宮線沿線に住んでいた。多感な時期に十年くらい住んだそこから、ときどき荒川を越えて東京に行った。宇都宮線は上野止まりだったから、当時の僕の東京の玄関は上野だった。この雑誌の企画を受けるならば、書店は明正堂アトレ上野店しかないのだ。
 と、ここまで書いたことを、3分くらいで考えたり感じたりして、了解です。頑張ります、取り急ぎ! というような返事を編集者にした。

 その後、編集者から、3万円分の本を選ぶのには意外と時間がかかり、なかには丸一日かかる人もいる。だからあらかじめ、ある程度ほしい本を考えておいてほしい、というメールがきた。了解です。頑張ります、取り急ぎ! と即返事をしたが、そんなわけないだろう、と思った。
 何を買ってもいいのだから、深く考えなければ、一時間以内で終わるはずだ。どうせなら最短記録を目指してみようか、などと考えながら、当日を迎えることになった。
 だが当日、最短記録など無理なことを知った。3万円の本をぽんと買い、それで終わった回があったらしい。最短記録はあきらめたが、でもまあ、あまり悩まずに選ぼう。
 メールの返事は即だが、こちらは普通だったと思う。書店をぶらぶらと一周し、欲しいと思った本をカゴに入れ、金額が達したら終了。全部で2、3時間だったように思う。

中村航さんが図書カードで購入した本

著書 著者/出版社 価格(税込)
『ゴールデンカムイ』〈1~14〉 野田サトル/集英社 ¥7,770
『あげくの果てのカノン』〈1~4〉 米代恭/小学館 ¥2,384
『球詠』〈1~4〉 マウンテンプクイチ/芳文社 ¥2,548
『ショート黒松』 瀬下猛/講談社 ¥615
『私を球場に連れてって!』〈VOL.1〉 スーパーまさら原作、うみのとも作画/芳文社 ¥884
『ご注文はうさぎですか?』〈1〉 Koi/芳文社 ¥884
『魔法少女俺』〈上下〉 毛魂一直線/ふゅ~じょんぷろだくと ¥1,468
『DJ道』 ムラマツヒロキ/秋田書店 ¥899
『ファーストラヴ』 島本理生/文藝春秋 ¥1,728
『怪物』 中村航、井上尚弥/KADOKAWA ¥1,512
『敗者たちの季節』 あさのあつこ/角川文庫 ¥648
『宇宙の「果て」になにがあるのか』 戸谷友則/講談社ブルーバックス ¥1,080
『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン、青木薫訳/新潮文庫 ¥853
『社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい』 山本憲明/明日香出版社 ¥1,620
『今日から使えるヒップホップ用語集』 押野素子/スモール出版 ¥1,404
『はくだけでやせる不思議なサンダルfor MEN』 斉藤美恵子/主婦の友社 ¥2,138
『エアファイターコレクション』創刊号 アシェット・コレクションズ・ジャパン ¥799
『パンダ氏パンダ嬢ポストカード』 THORES柴本/明正堂 ¥216
『あのとき始まったことのすべて』 中村航/角川文庫 ¥648
合計 ¥30,104

それでは各書籍について、購入の背景をじっくりと伺いましょう。

購入の背景について

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