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図書カードNEXT トップ > 図書カード使い放題?! > 最新:阿部智里さん

図書カード使い放題?!

もし手元に自由に使える3万円の図書カードがあったら、あなたならどんな本を買いますか?
このコーナーでは、そんな夢のような話を作家さんに体験していただき、どんな本を選んだかを大公開!
図書カードで本を選ぶ楽しみをあなたも疑似体験してください。

最新:阿部智里さん

予算オーバーなんか怖くない!
<プロフィール> 阿部智里(あべ・ちさと)
1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く著書「八咫烏シリーズ」は累計130万部を越える大ベストセラーに。松崎夏未氏が『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)にて漫画連載中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

 今月の図書カード3万円お買い物コーナーには阿部智里氏が登場。コミック一気買いから鉱物、海、水棲生物に写真集等々、書店の棚を満喫して買った20冊を見よ!
(2019年9月17日 於紀伊國屋書店横浜店)

 図書券3万円分使い放題というコンセプトを聞いた瞬間、こう思った。
「うわあ、なんて太っ腹で面白い企画なんだ! よぅし、きっちり3万円分で好きな本を買うぞ。はみ出しちゃったら、せっかくのコンセプトが台無しだもんな」
 そして企画が終了した現在、手元に残されたレシートには以下のように印字されている。
 計、40,942円。
 ──約1万円のオーバーである。
 レシートを目にする度に、チーン、とおりんの音が脳内に響く気がする。途中から、完全にテンションがおかしくなっていたとしか言いようがない。
 今回うかがったのは、新刊が出た際に行われる挨拶まわりの際、いつもさんざんお世話になっている紀伊國屋書店横浜店さんだ。
 たまたまバックヤードの扉わきがファンタジー関連の棚になっていて、そのセレクトにはずっと感心していた。あまりに気になったので、駅で編集さんとお別れした後、こっそり戻って来て買い物させてもらったこともある。また、拙作とも関係のあるカラス関連のフェアをやっていたり、面陳してある大型本が面白そうだったりと、一度ゆっくり見てまわりたいと思っていたのだ。
 当日は、本の雑誌編集部の方と、普段ご厄介になっている書店員さん、そして企画終了後文藝春秋の缶詰部屋に私を連行するため、監視役としてやって来た担当編集氏の3人が同行してくれた。
 あの異様なテンションの責任の一端は、間違いなく彼女達にもあると主張したい。
 何気なく足を止めた瞬間、書店員さんがサッと棚に手を伸ばしてこう言うのだ。
「気になったのはこれですか? 今、シュリンク外しますね!」
 どうしよう選べない、と呟いた瞬間、本の雑誌編集部の方がぽそりと囁く。
「これまでもオーバーした方はいらっしゃいますし......」
 極めつけは、私の好きなつまみから生活パターンまで完全に把握しつつある担当編集氏だ。
「欲しいんでしょ? 買っちゃえばいいじゃないですか。自腹分は経費扱いですよ」
 実に見事な三重唱であり、「じゃあ全部お会計お願いしまーす」と私が陥落するまで、ほんの数秒もかからなかった気がする。自分でも原稿を書きながら、最初の決意は何だったんだと呆然としている。
 でも、それだけ楽しかったのだ。
 コンセプトを無視してしまったことへの罪悪感はあれど、後悔はみじんもない。

 最近、本を買う際の基準になっていたのは、自分が読みたいかよりも「必要か否か」だったような気がする。この話を書くためにこの確認をしたい、これを読んだほうが作品に活かせる気がすると、作家である以上、絶対に逃れられない思考回路ではあるのだが、小学生の頃、車で行くことしか出来ない最寄りの書店さんで買い物をする時は、もっと純粋に「書店」そのものを楽しんでいたように思う。
 久しく、純粋に興味を惹かれた本を買うということがどれだけ楽しいことかを忘れていた。今回、必要だから買うのではなく、面白そうだから買う、ということをしたら、テーマパークで一日遊び倒したような満足感があった。
 結果、買ったラインナップを見てみると、あからさまに私の好みが出ていることに笑ってしまう。

阿部智里さんが図書カードで購入した本

著書 著者/出版社 価格(税込)
『宝石の国』〈1〉~〈10〉 市川春子/講談社 ¥6,544
『西欧中世宝石誌の世界 アルベルトゥス・マグヌス『鉱物書』を読む』 大槻真一郎、澤元亙編/八坂書房 ¥3,780
『ナショジオが行ってみた究極の洞窟』 ナショナルジオグラフィック編著/日経ナショナルジオグラフィック社 ¥1,944
『アクセサリーの歴史事典〈上〉頭部・首・肩・ウエスト』 キャサリン・モリス・レスター、ベス・ヴィオラ・オーク、古賀敬子訳/八坂書房 ¥3,024
『水族館の文化史 ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』 溝井裕一/勉誠出版 ¥3,024
『驚異と怪異 想像界の生きものたち』 国立民族学博物館監修、山中由里子編/河出書房新社 ¥2,916
『世界魚類神話』 篠田知和基/八坂書房 ¥3,024
『海洋大図鑑』 内田至/ネコ・パブリッシング ¥10,260
『家のネコと野生のネコ』 澤井聖一、近藤雄生/エクスナレッジ ¥3,024
『裸一貫!つづ井さん〈1〉』 つづ井/文藝春秋 ¥1,026
『present 山口真帆1st写真集』 山口真帆、土山大輔/宝島社 ¥2,376
合計 20冊 ¥40,942

それでは各書籍について、購入の背景をじっくりと伺いましょう。

購入の背景について

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