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図書カード使い放題?!

もし手元に自由に使える3万円の図書カードNEXTがあったら、あなたならどんな本を買いますか?
このコーナーでは、そんな夢のような話を作家さんに体験していただき、どんな本を選んだかを大公開!
図書カードNEXTで本を選ぶ楽しみをあなたも疑似体験してください。

第34回:柚木麻子さん

王道古典名作に挑戦
<プロフィール> 柚木麻子(ゆずき・あさこ)
1981年、東京生まれ。立教大学文学 部フランス文学科卒。2008年、女子校でのいじめを描いた 「フォーゲット ミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。受賞作を含む連作集 『終点のあの子』(2010/文藝春秋)での繊細な心理描写が絶賛された。その後『ランチのアッコちゃん』がベストセラーに。『ナイルパーチの女子会』で第 28回山本周五郎賞受賞。他の著書に『本屋さんのダイアナ』『ねじまき片思い』『幹事のアッコちゃん』などがある。

図書カード3万円使い放題コーナーに、今月は柚木麻子さんが登場。古典名作から気になる新刊、日めくりカレンダーに思い出の児童文学全集まで、どかんとお買い物だ!(平成28年2月4日 於紀伊國屋書店新宿本店)

 ここ最近、トークイベントを通じて、翻訳家の鴻巣友季子さんとお話させていただいた影響で、とにかく古典名作と呼ばれるものを臆せずどんどん読んでいこう、とやたらと気合が入っている。ちなみに今は「白鯨」下巻に苦戦中である。肝心の白鯨がいつまで経っても出てこない。
 もともと18、19世紀くらいの富裕層のヒロインの作品が学生の頃から好きだ。ショックを受けたら気絶していい、失恋したら何日も起き上がらなくていい、基本的に召使が身の周りのことをやってくれる。寿命も短く選択の自由が少ない時代だとしても、そういう世界観が私にはのびのびと感じられるのだ。デビューしてからというもの、同時代の作品を追いかけることが忙しすぎて、自分の趣味がすっかりお留守になっていたので、この辺で少し立ち返ってみようかな、と思っている。
 本にお金をかけることに躊躇がないにしても、3万円も一気に使える機会なんて滅多にない。今日は、普段から自分で買うような作品というよりは......、あまりにも浅はかであることは重々承知だが、読んだことをみんなに自慢できそうな古典の超大作を一つ購入しようと決めていた。
 正反対の女の子二人モノと聞いてこれは私こそ読まねばと思っていた、サッカレー「虚栄の市」全巻購入をもくろんでいたのだが、移動中にスマホで在庫確認したところ、そもそも絶版らしいとわかり、意気消沈する。
 気を取り直して、紀伊國屋書店新宿本店到着。いよいよお買い物スタートである。大作だったら時間がかかることを覚悟して、かさばらないサイズで買っておいた方がいい、と文庫本コーナーにまっしぐらである。フランスとイギリスはそれなりに読んでいる方だとは思うが、アメリカとロシアに関しては、ばっさり抜け落ちている。ベタだけど、ここはいつかは必ず、と思いつつ、めくったことさえない、あの「罪と罰」にチャレンジしてみよう!

柚木麻子さんが図書カードで購入した本

著書 著者/出版社 価格(税込)
『アンナ・カレーニナ』上中下 トルストイ、木村 浩訳/新潮文庫 ¥2,732
『怒りの葡萄』上下 スタインベック、伏見威蕃訳/新潮文庫 ¥1,576
『『罪と罰』を読まない』 岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美/文藝春秋 ¥1,674
『つつましい英雄』 マリオ・バルガス=リョサ、田村さと子訳/河出書房新社 ¥2,916
『べつの言葉で』 ジュンパ・ラヒリ、中嶋浩郎訳/新潮社 ¥1,728
『日本文学全集08 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集』 池澤夏樹=個人編集、伊藤比呂美、福永武彦、町田康訳/河出書房新社 ¥3,132
『叶恭子幸せの日めくり 31のフィロソフィ』 ポニーキャニオン ¥1,296
『安房直子コレクション』全7巻 安房直子/偕成社 ¥15,120
合計 17冊  購入総額 ¥30,174

それでは各書籍について、購入の背景をじっくりと伺いましょう。

購入の背景について

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