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作家の読書道 WEB本の雑誌 Presents

WEB本の雑誌

作家自身は、どんな「本屋のお客」なんだろう?そしてどんな「本の読者」なんだろう?
そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。

相場英雄さん:イメージ

第189回:相場英雄さん

その5「小説を書くために100冊読む」(5/7)

ミステリー『震える牛』がベストセラーになり、その後も話題作を発表し続けている相場英雄さん。新作『トップリーグ』も政界の暗部に切り込むリアルなミステリー。エンターテインメントに徹する著者はキーパンチャーから記者になり、さらに漫画原作を手掛けるなどユニークな経歴の持ち主。その人生の道のりで読んできた本、そして小説家になったきっかけとは?

ホワイトアウト (新潮文庫)
『ホワイトアウト (新潮文庫)』
真保 裕一
新潮社
907円(税込)
OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)
『OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)』
桐野 夏生
講談社
500円(税込)
白夜行 (集英社文庫)
『白夜行 (集英社文庫)』
東野 圭吾
集英社
1,080円(税込)
理由 (朝日文庫)
『理由 (朝日文庫)』
宮部 みゆき
朝日新聞社
926円(税込)

――さて、「小説を書いてみたら」と言われて、それでどうされたのでしょう。

相場:まずは本を読みはじめました。売れていて、書店の文芸書や文庫の棚で平積みになっているものを100冊。小学館の漫画の編集者経由で文芸編集者に「どんなの読んだらいいですか」って聞いてもらったりもしました。

――そうして読んでみて、心に残ったものは。

相場:エンタメ色の強いものばかりですね。真保裕一さんの『ホワイトアウト』、桐野夏生さんの『OUT』、東野圭吾さんの『白夜行』とか。そのあたりの作家の、いわゆる代表作というのは片っ端から読んだ記憶があります。宮部みゆきさんの『理由』を読んだ時には、「どうしてこう複雑なことを書けるのか、なんだろうこの人は」って(笑)。みなさん、独自の切り口だったり、独自のストーリーの回し方とか構成の仕方とかがあるんですよね。キャッチ―な話題を書かれる人だったり、より内面をえぐっていく人だったり、かなり引っ張ってからぐわーっと話を盛り上げていく人だったりと、多様性を感じましたね。絵が浮き出るわけでない分、イマジネーションの広がる余地が多い世界だなと思ったし。

――そして、実際に小説を書いてみて...。

相場:『デフォルト 債務不履行』という小説を書いてみて、それで大賞をいただいてしまいました。

――はじめて書いた小説で受賞ですか。

相場:当然、改稿はしましたよ。応募原稿から発刊するまでに半年くらいかけて手直しはしました。でも視点とかはあまり言われなかったし、すごくありがたかったのは、審査員の一人の高杉良先生が、ものすごい数の付箋をつけてくださって。「ここは直したほうがいいぞ」って。あんなにお忙しい先生が、もう本当に感謝、感謝です。

――それでも、それまで小説を書いていなかったというのに、すごいですね。

相場:普通は「小説家になりたい」と言って小説読み始めたって、書き方も分からないとは思うんです。僕も漫画の下地がなかったら、たぶん駄目だったと思うんですよね。漫画原作で基礎は学んでいたので、それはありがたいなと思います。

――基礎というと、たとえば。

相場:視点とか。すごくシンプルだけど、一次選考に残らないような作家志望の人の書いたものは、そこが分かっていなかったりする。僕も漫画原作の時に一番言われたのが、「これ、誰が見てるの」っていうことでした。「この場面はこうだけど、じゃあ2人一緒なったらどっちがどうなるの」とか。漫画原作と文芸って全然分野は違いますけれど、ストーリーという部分に関しては一緒なので、そこはきっちり学べたのでありがたいなと思っています。
それと、よく言っているのが、漫画原作の影響で、僕は小説もページを開いた時に絵が浮かぶように作るんですよ。「誰がどこにいてどうやって」「どの立ち位置で」というのを、読者が想像できる文体で書くように心がけています。

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