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作家の読書道 WEB本の雑誌 Presents

WEB本の雑誌

作家自身は、どんな「本屋のお客」なんだろう?そしてどんな「本の読者」なんだろう?
そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。

相場英雄さん:イメージ

第189回:相場英雄さん

その2「憧れの女性が薦める本を読む」(2/7)

ミステリー『震える牛』がベストセラーになり、その後も話題作を発表し続けている相場英雄さん。新作『トップリーグ』も政界の暗部に切り込むリアルなミステリー。エンターテインメントに徹する著者はキーパンチャーから記者になり、さらに漫画原作を手掛けるなどユニークな経歴の持ち主。その人生の道のりで読んできた本、そして小説家になったきっかけとは?

ブンとフン (新潮文庫)
『ブンとフン (新潮文庫)』
井上 ひさし
新潮社
432円(税込)
沈黙 (新潮文庫)
『沈黙 (新潮文庫)』
遠藤 周作
新潮社
594円(税込)
海と毒薬 (新潮文庫)
『海と毒薬 (新潮文庫)』
遠藤 周作
新潮社
391円(税込)
砂の上の植物群 (新潮文庫)
『砂の上の植物群 (新潮文庫)』
吉行 淳之介
新潮社
473円(税込)

――中学生時代はいかがでしょう。

相場:中学生になると本よりも映画でしたね。封切館は地元になかったんですが、だいたい2本立て、3本立てで上映しているのを観に行くようになりました。高校になると映画も観つつ、本も読んでいましたね。高校1年生のうちに2年生の分も詰め込んじゃうような変な学校で、僕は文系コースだったんですが、授業ももう、ほとんどコーランを聞いているような状態で(笑)。なので、すごく理解のある先生が「一応他の生徒の手前もあるから、教科書を立てろ。その内側で黙って本を読め」「幾何とかの授業は定規が必要だろう。あれを持ち運びする係をやったら、一応単位をやる。でも、一度赤点は出すから、一回追試は受けろ」と。それで授業中はずっと井上ひさし先生の『ブンとフン』とか読んでクスクス笑ってまして、怒られました。

――へえ。なぜ井上ひさしさんを知ったのでしょう。

相場:NHKの特集か何かで見たんでしょうね。「あれ、なんか面白そうなおじさんが出てる」と思って。読んでみたら「あっ、こんなに面白いんだ」っていうので読書熱が上がって、地元の書店さんに入り浸るようになったんですね。レコードとかも売っているような大きめの書店さんで。そこの書店員さんがすっごい綺麗だったんですよ。あ、30年ぶりに名前を思い出した、熊倉さんっていうすごい眼鏡美人で、ロックもよく知ってて、本もすごくよく知ってて、憧れのお姉さんに会いたいがために2日に1回くらい行っていましたね。そしたらそのお姉さんが「じゃあ、遠藤周作さんとかも面白いよ」とか「吉行淳之介さんもいいよ」と言うので、そっち系を読むようになりました。

――なんだか動機は不純な気がしますが、読んでみたら面白かった、と。

相場:面白かったですね。今でもたまにバイブルとして読むんですけれど、狐狸庵先生のぐうたらシリーズはやっぱり好きで。

――遠藤周作さんの別名義。エッセイですね。

相場:「正義漢づらをするな」なんてね、一生の格言ですよね。

――『沈黙』とか『海と毒薬』とかの小説は。

相場:そっちも好きなんですよ。『沈黙』は、僕が1年生の時に3年生だった馬場さんっていうすごく綺麗な先輩がやっぱりすごい読書家で、「あ、ぐうたら読んでるんだ。じゃあ『沈黙』読んでごらん」っていうから読んで「なんじゃこりゃあ」ってなって。小説でこんなえぐいこともやるんだ、と。で、『海と毒薬』を読んでも当然そうなりました。今、うちの倅がアメリカにいるんですけれど、夏に帰っていた時にスコセッシの「Silnce」を観たと言って、必死で英語で原書で読んでいたので、親子でその話ができたのが面白かったですね。「『海と毒薬』も英語で出ているから読んでみ、そしたらもっとびっくりするぞ」って言っておきました。
吉行淳之介さんは『砂の上の植物群』とかでしょうか。ちょっとエッチなやつです。

――ところで、中学生の頃映画が好きだったというのは、どのあたりを。

相場:はじめて一人で観に行ったのが伝説のミュージカル「ブルース・ブラザーズ」でしたね。こんなバカな映画があっていいのかと思いました。そこからコメディをワーッと観出すようになりましたね。母方のおじが、当時は高価だったベータのビデオデッキを持っている映画マニアで、家に遊びに行って観させてもらってハマっていきました。僕の今の仕事場や物置にはDVDが何百タイトルもあるので、ネタに詰まって困った時なんかにDVDを観て「これパクっちゃおうかな」とか。

――そういう冗談はやめてください(笑)。コメディというか、ノリのいい映画がお好きなんでしょうか。

相場:やっぱりエンタメ色が強いやつが好きですね。ジェリー・ブラッカイマーでしたっけ、ハリウッドの大物プロデューサーでアクションものをよく撮る人がいるんですが、その人の作品なんかはわりと観ますね。起承転結がはっきりしていてキャラの立て方もうまいので、そういうのは参考にしつつ。僕が好きなのはショーン・コネリーとニコラス・ケイジがダブル主演の「ザ・ロック」っていう、アルカトラズ島から脱出するやつとか。それとちょっとマニアになっているくらいクリント・イーストウッドが好き。「恐怖のメロディ」という、彼の監督デビュー作がすごく好きですね。ストーカーものの、ホラーの名作です。めちゃくちゃ怖いですよ。彼もアクションスターという看板にすごく抗った方なので、「ダーティーハリー」に主演しているのと同じ時期でも、自分の制作や監督作は、アクションもやるけどまた違う撮り方をするんです。そういう視点がすごく好きで。彼が監督をやると外れがないので、非常に勉強になります。

――映画鑑賞記録とか、読書日記はつけていますか。

相場:全然つけていないです。大雑把な性格なので。

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